除湿機はメーカーや方式によって使い勝手が大きく異なる家電の一つです。今回は、実際にCV-TH150を購入し使用してみた率直なレビューをお届けします。
比較対象は購入前に使用していた三菱電機のMJ-18HGXになります。
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まずは結論から。この機種はハードウェアとしての除湿能力は非常に優秀ですが、使い方によっては向き不向きがはっきり分かれます。
- 洗濯物を乾かす衣類乾燥目的で使う人
- 夏も冬も、年間を通して使いたい人
- スマートプラグ等で電源管理をしたい人
- 指定した湿度(〇〇%)の維持を厳密に行いたい人
- 部屋間の移動を頻繁に行う人
- 極端な低湿度環境を作りたい人
まずは除湿機選びの要となる除湿方式のメリットから、毎日の運用に関わるサイズ感や排水の仕様まで、ハードウェアとしての基本性能をレビューします。
除湿機選びで最も重要なのが除湿方式です。一般的に、気温が高い夏場に強い「コンプレッサー式」と、気温が低い冬場に強い「デシカント方式」がありますが、CV-TH150はこの双方を組み合わせたハイブリッド方式を採用しています。
気温が1℃~38℃の範囲で動作するため、季節を問わず一年中効率よく除湿ができるのが最大のメリットです。
ハイブリッド方式は構造が複雑になるためか、本体サイズは少し大きめです。

| 幅 | 36.5 cm |
| 奥行 | 23.5 cm |
| 高さ | 64.5 cm |
| 重さ | 15 kg |
気になったのは移動のしにくさです。本体には左右に取っ手があり持ち上げる形になっており、重量もあるため片手で持ち上げるのは困難です。また、底面にはキャスターが付いているものの、左右方向(横)にしか動きません。
前後や斜めに移動させたい場合でも横移動しかできないため、頻繁に部屋を移動させて使う予定の方は、設置場所までの動線を考慮する必要があります。
公称値としては除湿で約300W、衣類乾燥で約700Wとなっていますが、これはおそらく最大消費電力だと思います。
測定環境
室温:13.1℃
相対湿度:39%
| 除湿 / 標準 | 227.2 W |
| 除湿 / 音控えめ | 206.6 W |
| 衣類乾燥 / 速乾 | 227.5 W |
| 衣類乾燥 / 標準 | 228.1 W |
| 衣類乾燥 / 音控えめ | 226.1 W |
タンク容量は約3.6Lです。最大除湿能力が1日あたり13~15Lであることを考慮すると、梅雨時期などは満水になるペースが早く、少し小さめに感じるかもしれません。
タンクは側面から引き出すタイプです。これまで使用していた三菱製が正面引き出しだったため、最初は違和感がありました。

キャスターが横方向にしか動かない仕様と合わせているのかもしれません。家具の隙間など、奥行きのある狭いスペースに収納する場合は、横からアクセスできるこの形状の方が便利に感じるでしょう。
ハイブリッド方式かつ連続排水機能を備えたモデルは意外と選択肢が少ないため、この機能はCV-TH150の大きな強みです。市販の内径15mmのホースを接続すれば、タンク容量を気にせず連続運転が可能です。
スペック上の運転音は49dB~37dBです。数値だけ見ると大きく感じますが、実際に聞いてみると大型の除湿機としては「並程度」の印象です。
除湿の標準運転と音控えめ運転にはこのくらい差があります。音控えめ運転はかなり静かです。
ここからは、ハードウェアスペックが優秀なだけに非常に惜しいと感じた「操作性」と「機能制限」について触れます。
湿度が30%より低くなると、除湿運転ではなく強制的に「送風運転」に切り替わります。カメラや精密機器、特定の素材など、湿度に弱い物の保管場所で「乾いた状態」を維持したい場合には向きません。
ハードウェア的に除湿が不可能というわけではなさそうなので、余計な機能制限のように感じられます。
風向きは上下左右に設定可能です。
- 左右: 2つの送風幅とスイング(ワイド/スポット/スイング)
- 上下: 3方向とスイング(下向/前方/上向/下~前方のスイング)
ここで疑問なのが上下スイングの範囲です。「下~前方」のスイングはありますが、「前~上向」や「下~上(広範囲)」のスイングができません。 洗濯物の干し方によっては風を当てにくい場合があり、なぜこの仕様なのか疑問が残ります。
詳細な設定変更を行うためのモードに入るには、特定のボタンを長押しする必要があります。しかし、本体のボタンラベルにはその記載がなく、まるで隠しコマンドのようです。
さらに、設定モードに入っても表示は「F1~F7」といったコード表記で、設定値も「01/02」といった数字のみ。取扱説明書を見ないと、何の設定を変更しているのか、現在ONなのかOFFなのか直感的には全くわかりません。設定変更のたびに説明書を探すことになりそうです。
現在の湿度は本体で確認できますが、「湿度50%になったら運転開始」のようにユーザーが任意の湿度を指定して動作させることはできません。機器側が温度に合わせて適した湿度に保つ自動機能はありますが、自由度は低めです。
除湿運転をエコ自動モードで動かしたときは、以下の湿度になるように除湿・送風が自動で切り替わります。
| 温度 | 湿度 |
|---|---|
| 1~18℃ | 65% |
| 18~24℃ | 60% |
| 24~28℃ | 55% |
| 28~38℃ | 45% |
不満点もありますが、長く使う上で便利な機能もしっかり搭載されています。
運転終了後に送風運転を行い、内部を乾燥させて清潔さを保つ機能です。除湿機内部の掃除は分解しない限り難しいため、カビ発生を抑制できるこの機能は非常に助かります(設定でON/OFF可能)。
個人的に評価が高いのがこの機能です。運転中に停電したり、プラグが抜けたりして電源が落ちた場合でも、通電が回復すれば元の設定で運転が自動再開されます。
これにより、SwitchBotなどのスマートプラグを挟むことで、スマホや音声アシスタント経由での電源ON/OFF管理が可能になります。
多くの除湿機は通電後に物理ボタンを押す必要があるため、スマートホーム化を検討している方には特におすすめです。
注意点
自動復帰時はヒーター機能が強制的にOFFになります。冬場などでヒーターを併用したい場合は、本体ボタンで操作する必要があります。
シャープCV-TH150は、ハイブリッド方式による安定した除湿能力と、連続排水や自動復帰といった実用的な機能を備えたモデルです。一方で、キャスターの動きやUIの分かりにくさ、細かい設定の自由度の低さなど、使い勝手の面での「惜しさ」が目立ちます。
「細かい設定は気にせず、お任せでガンガン衣類乾燥や除湿をしてほしい」という方には、頼もしい一台になるはずです。
連続排水機能の使い方については以下の記事で紹介しています。

