ロボット掃除機を初めて買ったとき、正直「使えない」と思いました。ロボット掃除機に掃除をさせるために、事前に自分が部屋を片付ける。いったい何をやっているんだろう、という気分だったからです。
ところが引っ越しを機に「ロボット掃除機が走ることを前提とした部屋」に作り替えたところ、印象は180度変わりました。今では普段の床掃除は完全に丸投げで、自分が掃除機を持つのは隅のほこりが気になったときだけ。とても楽です。
この記事では、ロボット掃除機を100%活用するための部屋づくり=ルンバブルな部屋の作り方を、実際に我が家でやった対策ベースで具体的にまとめました。
「ルンバブル」とは、有名なお掃除ロボット「Roomba(ルンバ)」をもじった造語です。ロボット掃除機が引っかからずに部屋の隅々までスムーズに掃除できる環境や、その条件を満たした家具のことを指します。
ロボット掃除機は「走れる場所しか掃除できない」という、当たり前ですが重要な制約を持っています。逆に言えば、走れる場所さえ確保してしまえば、人間には面倒な家具の下や家電のすき間まで毎日勝手にきれいにしてくれる、ということです。ルンバブルな部屋づくりとは、この「走れる場所」を最大化する作業だと考えてください。

参考までに、私が使っているのはSwitchBotのS20です。ゴミ収集も自動、水拭きモップの給水や乾燥も自動なので、ほったらかしでも部屋をきれいにしてくれます。
ただし本体の高さは11.5cmとやや高めです。この記事で紹介する「必要な隙間の高さ」は、この11.5cmを基準にしています。お使いの機種の高さに合わせて、数字は読み替えてください。薄型の機種であればもう少し条件はゆるくなります。
まず基本にして最重要なのが、床に直接置くものを減らすことです。
とはいえ、床にあるものをゼロにする必要はありません。最低限、ロボット掃除機が通れる「道」が確保できていれば十分です。
また、椅子のように普段から動かすものについては、そこまで神経質にならなくていいと思います。今日置いている場所が掃除できなくても、明日は別の場所にあるので、「一部だけずっと汚いまま」という状態にはなりにくいからです。逆に言うと、動かさないものほど優先的にどかすのがコツです。
床置きの中でもっとも厄介なのが、電源コード、充電ケーブル、カーテンのタッセル、衣類の紐といった柔らかく細長いものです。
これらを巻き込むとロボット掃除機はその場で停止してしまいます。復帰させるには、巻き込んだものをブラシから取り外して再始動させる必要があり、これが地味に面倒くさい。「掃除が終わっているはずの時間に帰宅したら、部屋の真ん中でコードを咥えて止まっていた」というのは、ルンバブル化が甘い部屋の典型的な光景です。
コードは配線モールで壁に沿わせる、ケーブルボックスにまとめる、家具の脚に結束するなどして、床から浮かせておきましょう。
ロボット掃除機の大きな利点は、家具や家電の下という「人間が掃除しづらい場所」を勝手に掃除してくれることです。ここを活かせるかどうかで、満足度は大きく変わります。
ポイントは、ロボット掃除機の本体高さ+数cmの隙間を確保すること。我が家の場合は11.5cmなので、目安は13cm前後です。方法は大きく4つあります。
一番シンプルなのは、脚の高い家具を最初から選ぶことです。ただし、ロボット掃除機のために手持ちの家具家電を買い替えるのは、なかなかハードルが高いのも事実。これから買い替える予定がある人向けの選択肢と考えてください。
すでにある部屋を作り替えるなら、こちらが現実的です。代表格はメタルラックでしょう。
メタルラックは棚板の高さを自由に変えられるので、一番下の棚板をロボット掃除機が通る高さに設定するだけでルンバブルになります。ロボット掃除機の高さは機種によって様々なので、買い替えても調整で対応できるのは大きなメリットです。
無骨な外見さえ気にならなければ、パーツの使い回しもできます。一つのシリーズで統一しておくと、後から棚板やポールを買い足して組み替えられるので便利です。
私はルミナスの19mmポールのもので統一しています。

除湿器のように常時出しっぱなしにする家電も、メタルラックで台を作って浮かせてあげると、周りにほこりがたまりません。

買い替えられない大型家電には、台座(かさ上げ台)が有効です。
例えば洗濯機。

例えば冷蔵庫。

大型家電は重量があるので、耐荷重に余裕のあるしっかりした台座を選びましょう。特に冷蔵庫は、かさ上げによって重心が高くなると転倒のリスクが増します。耐震ベルトなどを併用して、万が一のことが起こらないように気を付けてください。
台座の高さは、ロボット掃除機に合わせて10〜13cm程度のものを選ぶのがおすすめです。少しだけ高さが足りない場合は、ゴム板などを挟んで調節します。私が使っている台座は上面の四方に縁があり、10cm角のゴム板がぴったりはまる構造になっていて便利でした。調節した場合は両面テープ等でしっかり固定し、地震や振動でバラバラにならないようにしておきましょう。
ソファやベッドは、互換性のある交換用の脚が販売されていることが多いです。長さも細かく指定できるので、台座をかませるより見栄えがよく仕上がります。

規格はM8もしくはM10ネジのことが多いので、まずは今ついている脚のネジ径を控えてください。そのうえで「継ぎ脚」「ソファ 脚 交換 M8」などと検索すると、色々な選択肢が出てきます。
意外な盲点がカーテンです。
最近の機種は画像認識で障害物を判別しますが、柔らかいカーテンも「障害物」とみなして、またいで進んでくれないことがあります。特に部屋の仕切りとして使っているカーテンは要注意で、そこから先が丸ごと未掃除エリアになってしまいます。
床に接するくらいの長さのカーテンは、少し丈を短くしておくとスムーズに通過できるようになります。

部屋の境目にある段差が高いと、ロボット掃除機は乗り越えられません。
私の使っている機種では、3cmの段差は乗り越えることができませんでした。カタログ上の乗り越え性能は2cm前後の機種が多いので、和室の敷居や廊下との境目などは、実測して確認してみてください。
写真はデスクの脚です。

対策はシンプルで、スロープを付けてあげること。これだけで、それまで分断されていたエリアがひとつづきの掃除エリアになります。

ロボット掃除機は「買えば楽になる家電」ではなく、部屋を整えてはじめて本領を発揮する家電です。裏を返せば、一度きちんと環境を作ってしまえば、あとは毎日ほったらかしで床がきれいな状態を維持できます。
すべてを一度にやる必要はありません。まずはコード類の片付けと一番大きな家具の下の隙間確保から始めるだけでも、掃除できる面積はぐっと広がります。ぜひ試してみてください。

